SEOキーワード選定はサイトの基礎作りとなる工程で、最も重要なSEO対策の1つです。
単純にキーワードをたくさん集めれば良いわけではなく、サイト全体の設計を考えながら選定する必要があります。
SEOキーワード選定のやり方を間違えると、サイト設計に欠陥が生じてしまい、ほぼ確実にサイト運営は失敗に終わるでしょう。
そこで今回の記事は、SEOキーワード選定について徹底的に解説します!
記事を読んでもらえば、「SEOキーワード選定の重要性」や「SEOキーワードの具体的な手順」が理解できるようになります。
SEOキーワード選定の理解度が上がれば、良質な記事を安定して供給できるサイトを作れるようになるでしょう。
ぜひ、参考にしてください!
記事を書いているアオイは、現役のブロガー/Webライターです。今回の記事では、私が仕事で実際に行っているSEOキーワード選定のやり方を紹介します。
SEOキーワード選定とは?
SEOキーワード選定とは、サイトに来て欲しいユーザーが検索しそうな「検索キーワード」をリストアップする作業のことです。
検索エンジンでユーザーが検索する語句のことを「検索キーワード(SEOキーワード)」と言う。
例:「東京 お土産」「スマホ おすすめ 格安」など
リストアップしたキーワード群が、サイトを構成する記事のベースになります。
選定するキーワードの基準を簡単に説明すると、
など、有益なキーワードを選び出していきます。
SEOキーワード選定をする目的
SEOキーワード選定をする目的は、「ユーザーの役に立つサイト」を作るためです。
検索エンジンは、「検索ユーザーの疑問や悩みを解決できるサイト」を検索結果の上位に表示します。つまり、「検索ユーザーにとって有益な記事」を作成することが、SEO対策において重要になるわけです。
SEOキーワード選定の具体的な効果はこちら。
「ユーザーの役に立つサイト」を作るために必要なキーワードを選び出していきましょう。
SEOキーワード選定に必要な知識
SEOキーワード選定をする上で知っておきたい、重要な知識を解説します。
「ユーザーの役に立つ/一定数以上の需要がある」キーワードを見つけるために必要な知識になります。
検索意図
検索意図とは、「ユーザーがそのキーワードで検索をした目的」のことを指します。
検索意図の種類は大きく分けて次の4つ。
分類名 | 検索意図の特徴 | キーワード例 |
---|---|---|
Doクエリ | 「○○がしたい」 | 「Webデザイン 見積り」「Instagram 登録」 |
Knowクエリ | 「○○を知りたい」 | 「WordPress とは」「ダブル洗顔 効果」 |
Goクエリ | 「○○に行きたい」 | 「清水寺」「Amazon」 |
Buyクエリ | 「○○が買いたい」 | 「iPhone 最安」「箱根 旅館 予約」 |
選定する各キーワードの検索意図を理解できれば、検索ユーザーのニーズを把握することができます。
良質なサイトを作るには、「ユーザーのニーズを満たす」ことが何よりも大切です。キーワードの検索意図を理解して、ユーザーの求めてるものをしっかり把握しましょう。
検索意図をより詳しく知りたい方は、こちらの記事もお読みください。
検索ボリューム
検索ボリュームとは、キーワードの月間平均検索回数のことです。
検索ボリュームを調べれば、キーワードの「アクセス数の期待値」や「SEO難易度」を把握できます。
サイト運営で成果を出すには、需要のあるコンテンツを作成しなければなりません。検索ボリュームは、キーワードの需要量を測る指標になります。
検索ボリュームは、検索回数によって以下の3種類に分けられます。
❶ビッグキーワード
検索回数が10,000以上で、1つ~2つのワードで構成されることが多いキーワード。検索回数が非常に多くアクセス数は期待できるが、その分競合性も高い。ワード数が少ないので検索意図が曖昧。
❷ミドルキーワード
検索回数が1,000~10,000で、2つ~3つのワード構成されることが多い。ビッグキーワードとロングテールキーワードの中間的な立ち位置。
❸ロングテールキーワード
検索回数が100~1,000で、3つ以上のワードで構成されることが多いキーワード。別名「スモールキーワード」。検索回数は多くないので、アクセス数はそこそこ。その代わり、上位表示が比較的簡単で検索意図も分かりやすい。
検索ボリュームを把握して、成果が期待できるキーワードを選び出しましょう。
SEOキーワードの選定方法【5つの手順で解説】
ここからは、SEOキーワード選定の具体的な手順を解説します。
今回紹介するやり方は、私が普段仕事で実際に行っている方法になります。人によってやり方は様々なので、私のやり方を1つの参考例にして、自分のやりやすい方法を見つけてください。
手順1|メインキーワードを決める
はじめに、サイトのテーマとなるメインキーワードを1ワード決めます。
メインキーワードを中心にサイト全体の設計を考えていくので、サイトのテーマを表すような語句が望ましいです。
例えば、英会話を学べるサイトなら「英会話」、キャンプの情報を発信するなら「キャンプ」など。
どんな情報を発信するサイトなのか、よく考えて決めましょう。
手順2|対象ユーザーを設定する
次に、情報を発信する対象ユーザーを設定します。
対象ユーザーを設定すると、どのような人に向けて情報を発信するか明確になり、サイトの方向性が定まります。
対象ユーザーは、できるだけ詳細な人物像を設定しましょう。
上記のような、特定の1人のユーザーを想定するように設定します。
1人のユーザーに向けて発信する意識を持つことで、情報の具体性が増し、逆説的に多くの人に伝わりやすくなります。
手順3|キーワードを洗い出す
続いて、記事のベースとなるキーワードをリストアップしていきます。
選定のコツは、先の手順で決めた「メインキーワード」と「対象ユーザー」に即したキーワードを選択することです。
前述した検索意図を参考に、検索ユーザーが何を求めているかを考えながらキーワードを選んでいきましょう。
具体的な方法を以下の項で解説していきます。
上記の方法以外でも、「ユーザーの役に立ちそうなキーワード」を思いついたら、どんどん追加してください。この時点で細かい精査は必要ないので、使えそうなキーワードをできるだけたくさん集めましょう。
リストアップしたキーワードは、スプレッドシートなどにメモしておくと後々管理が楽になります。
サジェストキーワード
メインキーワードのサジェストキーワードを調べます。
サジェストキーワードとは、検索エンジンの検索窓にキーワードを入力した時に、その他の入力候補が自動的に表示される機能のことです。
サジェストは、「他のユーザーが検索したキーワード」や「過去の検索履歴」など、様々なデータを参照します。検索需要が高いキーワードが優先的に表示されやすいので、候補としてリストアップしておきましょう。
具体的なやり方は、ラッコキーワードなどの調査ツールで調べます。(ラッコキーワードについてはこちら)
①調べたいキーワードを検索窓に入力して検索する

②サジェスト一覧が表示されるのでコピーしておく

関連キーワード
メインキーワードの関連キーワードを調べます。
関連キーワードとは、キーワードの検索結果ページ下部に表示されるキーワード群のこと。検索キーワードに関連したキーワードが表示されます。
サジェストキーワード同様、検索需要の高いキーワードなので候補としてメモしておきましょう。
関連キーワードは検索結果下部に表示されます。

ラッコキーワードでも関連キーワードを調べられます。
Yahoo知恵袋
Yahoo知恵袋からもキーワード候補を仕入れられます。
Yahoo知恵袋はユーザーが悩みごとを直接相談するQ&Aサイトなので、ユーザーのリアルな声が聞けるのが特徴です。
「ユーザーの抱える悩み=コンテンツの種」なので、ユーザーの悩みから記事になりそうなキーワードを探りだします。
任意のキーワードで検索にかけて、ユーザーがどういう悩みを抱えているかを調べましょう。
競合サイト
サイトのテーマやメインキーワードが近いライバルサイトを分析して、どんなキーワードの記事を作成しているかを調べます。
キーワードの検索結果ランキング上位10位以内の記事は、SEO対策に成功している記事です。どのような対策をしているか分析して、参考にしましょう。
競合サイトを調査するには、SEOチェキというサイト分析ツールがおすすめ。SEOチェキでは、競合サイトが対策しているキーワードを調べることができます。
「キーワード出現頻度」の項目を選択して、調べたいページのURLを貼り付けるだけでOKです。

SEOチェキでは、その他にもSEOに関する様々なデータを調べられます。詳しくはこちら。
手順4|検索ボリュームを調べる
候補となるキーワードを洗い出せたら、次は検索ボリュームを調べます。
検索ボリュームの項を参考に、需要の高さごとにキーワードを整理していきましょう。検索ボリュームが100未満のキーワードは、基本的には除外します。
検索ボリュームは、キーワードプランナーを使って調べます。(キーワードプランナーについてはこちら)
①「検索のボリューム~」を選択
②検索窓にキーワードを入力して検索


③「月間平均検索ボリューム」をメモする

無料版だと、検索ボリュームの数字が「100~1,000」のような曖昧な数字でしか分かりませんが、そこまで正確な数字を把握する必要もないので無料版で十分です。
手順5|キーワードをグループ化する
最後に、選定したキーワードをグループ化して整理します。
テーマ別にグループを作り、テーマが共通するキーワード同士を集めて、各グループにまとめていきます。
キーワードをグループ化するメリットはこちら。
キーワードをグループ化しておくと、サイトの管理が格段に楽になります。
グループ化の具体的な手順は以下でくわしく解説します。
「軸キーワード」と「サブキーワード」に分ける
グループ化をする際は、「軸キーワード」と「サブキーワード」の2種類に分けましょう。

2種類に分ける理由は、サイト全体の構造が分かりやすくなるからです。
サイトの構造が明確になると検索エンジンに認識されやすくなり、記事が速く検索結果に反映されます。
記事は公開してもすぐに検索結果に反映されるわけではありません。検索結果に反映されるには、クローラーと呼ばれるシステムを介する必要があります。
サイト内を巡回して様々なデータを取得し、検索エンジンのデータベースに記録するプログラム。クローラーによって記事が検索エンジンに認識された後、検索結果ランキングに反映される。
具体的なやり方を解説します。
- STEP1グループの軸キーワードを選ぶ
例として「ブログ運営」を軸キーワードに設定。
- STEP2グループのサブキーワードを選ぶ
ブログ運営に関連するキーワードを選ぶ。
「ドメイン/レンタルサーバー/WordPress」など。
この際、軸キーワードには「ビッグ・ミドルキーワード」を選び、サブキーワードには「ロングテールキーワード」を選ぶと効果的です。(理由は次項を参照)
グループ内に内部リンクを設置する
内部リンクとは、サイト内のページ同士を繋げるリンクのことです。
グループ化をする際は、グループ内のキーワード同士を内部リンクで繋ぐ意識で整理しましょう。
理由は、記事同士をリンクで繋いでおくと、リンクジュースと呼ばれるSEO効果を得られるからです。
リンク元のSEO評価がリンク先のページに分け与えられる現象のこと。関連性の高いページ同士ほど、効果が上がると言われている。(※リンクジュースはGoogle非公式の用語)
具体的なやり方は、サブキーワード(ロングテールキーワード)の記事から、軸キーワード(ビッグ・ミドルキーワード)の記事に繋がるように内部リンクを設置します。
SEO難易度が低いサブキーワードで上位表示を獲得して、サブキーワードが得たSEO評価を軸キーワードに流すイメージです。
こうすることで、SEO難易度の高い軸キーワード(ビッグ・ミドルキーワード)でも上位表示を狙えます。
「ブログ運営」を軸キーワードにしたグループの内部リンク例↴

軸キーワードの記事は、サブキーワードのまとめ記事にするのがおすすめです。軸キーワードは検索意図が多岐に渡るため、記事で扱うトピックも多くなります。
軸キーワードの記事では関連するトピックを網羅した内容にして、サブキーワードの記事では各トピックを深く掘り下げた内容にすると、内部リンクを繋げやすくSEO効果が期待できます。
SEOキーワード選定3つのコツ
SEOキーワード選定を効果的に行う3つのコツを紹介します。
ロングテールキーワードを重視する
サイトの立ち上げ初期の段階では、ロングテールキーワードを重視してキーワード選定をしましょう。
ロングテールキーワードは複数のワードで構成され、月間検索ボリュームが1,000未満のキーワードのことを指します。(例:SEO キーワード 選び方)
競合が比較的少ないので、記事の上位表示を狙いやすいのがロングテールキーワードの利点です。
始めたての頃はサイト自体の評価が低い状態なので、まずはロングテールキーワードで上位表示を獲得して、サイト全体のSEO評価を底上げするイメージです。
上位表示記事をいくつか獲得してサイトのPV数が増えてきたら、ミドルキーワードやビッグキーワードにも取り組んでいきます。
SEOキーワード選定の際は、ロングテールキーワードを特に意識して集めたいですね。
記事の重複を避ける
自サイト内に、「同じ検索キーワード」や「同じ検索意図」の記事が複数ページ存在する状態をキーワードカニバリゼーションと呼びます。
これは、サイト内の記事同士が競合してしまっている状態で、以下のようなデメリットが発生します。
❶SEO評価やアクセス数が分散する
記事同士が競合すると、本来1つの記事で得られるSEO評価やアクセス数が複数に分散してしまう。結果、すべての記事の順位が伸びず共倒れに。
❷利益の機会損失を招く
利益率の高い記事で上位表示を狙っていたのに、別の重複記事が上位表示されてしまい、利益獲得を逃してしまう。こちらの意図したSEO対策ができない状態。
❸重複コンテンツ判定を受ける
他の記事をコピーした重複コンテンツと判定されてしまい、サイト全体の評価が低下する可能性がある。
キーワードカニバリゼーションを防止するには、どのキーワードをどの記事で使用しているかをメモするなどして、キーワードをしっかり管理するようにしましょう。
定期的に見直す
キーワード選定が終わった後も、定期的に見直し作業をしましょう。
一度のキーワード選定で、理想通りの成果を得るのは難しいです。試行錯誤を繰り返すことで、少しずつ理想のサイトに近づいて行きます。
具体的なやり方は、Googleサーチコンソールを使って記事の分析・修正をします。
Googleサーチコンソールでは、「サイト訪問者が検索したキーワード」や「記事の検索順位」などを調べることが可能です。
- STEP1検索順位確認
選定したキーワードの記事を公開した後、記事の検索順位を調べる。
- STEP2検索キーワード調査
順位が低い場合は、記事の訪問者がどのキーワードで検索したかを調べる。
- STEP3修正
狙ったキーワードで記事が検索されていない場合、対策に問題があるので修正する。
記事は公開してすぐに検索結果に映されないので、長期間に渡ってチェックする必要があります。
思った通りの成果を得られない場合は、キーワード選定の見直しや記事の修正をしてみましょう。
SEOキーワード選定に使えるおすすめ無料ツール
最後に、キーワード選定に使えるおすすめ無料ツールを紹介します。
ラッコキーワード
ラッコキーワードは、任意のキーワードに関する様々なデータを調査できるツールです。
基本無料で使えるので、初心者の方でも気軽に使えるツールです。
サイトURL:https://rakkokeyword.com/
Googleキーワードプランナー
キーワードプランナーは、検索ボリュームを調べるのに使うGoogleが提供するツールです。Googleアカウントを持っていれば無料で利用できます。
検索ボリュームはキーワード選定において重要なデータなので、必須のツールと言えます。
サイトURL:https://ads.google.com/intl/ja_jp/home/tools/keyword-planner/
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、Googleが提供するサイト解析ツールです。Googleアカウントを持っていれば無料で使えます。
どの機能も非常に有用なので、サイト運営には必須のツールです。
サイトURL:https://search.google.com/search-console/about?hl=ja
Googleトレンド
Googleトレンドは、キーワードの検索ボリュームの推移を調べられるツールです。Googleの公式ツールでGoogleアカウントを持っていなくても無料で使えます。
キーワードの人気になるタイミングや、今後トレンドになりそうなキーワードを探したい時などに役に立ちます。
サイトURL:https://trends.google.co.jp/trends/?geo=JP
SEOチェキ
SEOチェキは、競合サイトの調査に使える無料ツールです。任意のサイトのURLを入力すると、そのサイトのSEOに関するデータを調べられます。
競合サイトだけでなく、自サイトも分析できる、非常に便利なツールです。
サイトURL:https://seocheki.net/
まとめ
今回はSEOキーワード選定について解説しました。
SEOキーワード選定は、「ユーザーの役に立つサイト」を作るための作業です。
「ユーザーに満足してもらうには何が必要なのか?」を、常に心に留めておきましょう。
今回の記事は以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました!